私にも勿論猫も杓子も
プログレという時代があった。Harvestなんていうレーベル面を見るだけで興奮し、ネオン、カリスマなどの単語がその辺から飛び出すと真っ先に
プログレに結び付けていた。ロバート・ジョン・ゴドフリーのソロ作を夢見(紙ジャケ化が実現するまでは中古市場で破格の値が付けられていた)、
ムーディーズの諸作を聞いた後は躊躇無くバークレイ・ジェイムス・ハーヴェストを聞くハメになり、そして涙した。世間ではこれらを泣き虫軟弱系
プログレと称して馬鹿にする風潮があったはずだが今はどうなのだろう。しかし幸か不幸かこのバンド、ちっとも
プログレではなく当時のブリ
ティッシュ・ロックそのまんまで、寧ろ
ウィッシュボーン・アッシュとかと一緒に語られる方が割と自然なポップ・ロックで、初期(Harvest期の2枚目迄)の先述したロバート・ジョン・ゴドフリーが関った契機があるせいか、そのまま
プログレの仲間入りになり、更にはその中で閉め出しを喰らいそうになる可哀相なバンド、という印象が強い。しかしそういうポジションに臆することもなく絶妙に歌心を発揮し、壮大なオーケストラを交えたハーヴェスト期〜ポリドール期の作品はだいたいハズレが無い(というかそれ以降はあまり知らない)。今の時代に新参者がバークレイ・ジェイムス・ハーヴェストに興味を持つ、なんてことが在り得るのかどうか知らないけど、よくいう形容に例え断言するならば、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト好きに悪い奴はいない。俺を除いて。