SAMLA MAMMAS MANNA/MALTID

Maltid

Maltid

勿論関西人全員がそうではないが、比較的マジョリティにおける関西人というのは行動/言動においていかに笑えるかというのを重要視するきらいがある。シリアスをユーモアに、ユーモアはシリアスに。自虐こそ少ないが他人を攻撃する笑いのエネルギーはNo1であろう。時々つまらない事を少しでも和ませようと思って言った言葉が人を激怒させる事が多々あるが、私はそこを人と付き合うかどうかの目安にする。そういう人とはあまり関らないようにする。多分これが私の処世術であり続けたような気がする。処世していくのはよいが、逆にどこまで本気か冗談か本音か嘘か分からない奴と思われる危険を伴う諸刃の剣でもある。もう一度言うが、勿論関西人全員がそうではない。
全く話は飛ぶが、関東における電車の種類は「各駅停車」「急行」「快速急行」等である。今まで不思議に思わなかったが関西では各駅停車が「普通」である。各駅停車はいたってそのまんま至極分かりやすい。しかし「普通」っていったい何が普通なのだろう、と最近ふと思った。京阪電車では豹柄を着た太ったおばちゃんはいるし、年寄りは皆飴のことを「あめちゃん」と呼ぶ。別に本人達は笑わせようと思ってはいないが、どこかすっ呆けた雰囲気があるのが良い。
そしてプログレ界隈においてすっ呆けた「笑える音楽」を堂々と取り入れたのはサムラであろう。比較的シリアスで考え込む部類の音楽を更にテクニックのみで埋め尽くした音楽に呼吸困難を覚え逃亡する者も多々いるだろう。サムラはその中で「ユーモア」を持ち込み現実的な空虚感、社会的な隔絶感すらも「お茶の間劇場」に仕立てて笑わせようとする所謂辺変態系辺境プログレの代表格である。シリアスは苦手なんだよ、という君に是非。今回の紙ジャケ化はリマスタリングにより音圧も上がり(K2コーディング仕様)、ボーナス・トラックも輸入盤と同様追加された決定版。