THE ART ENSEMBLE OF CHICAGO/BAP-TIZUM

Bap-Tizum

Bap-Tizum

観念的郷土への想念が見せる異型の音世界。残留思念のようなものがあるのかどうかは知らないが、常に彼らは伝統/前衛に関わらず黒人としての音楽を具現化し続けた。ここにあるのはそれらの息吹とあくまで『NEW THING』として発生した「前衛」としての主張に他ならない。構成的なものはほぼ無く、民族的なパーカッションと儀式的なヴォイスの導入、まるで動物の咆哮であるかのような管楽器類の躍動。AEOCはシカゴのAACM(Association for the Advancement of Creative Musician)創造的音楽家の進歩の会出身の新鋭としてヨーロッパに渡り(数十枚に渡るレコーディングをヨーロッパにて行っている)、再びアメリカへ戻りアトランティックと契約。これはアン・アーバー・ブルーズ&ジャズ・フェスティヴァルの実況録音盤。1972年。AEOCはECM以降のイメージが強いが先ずはこれ。