MILES DAVIS/MILES IN TOKYO

Miles in Tokyo

Miles in Tokyo

当時の主流派の多くは分岐点に達していた。ORNETTE COLEMANが持ち込んだ『FREE JAZZ』と何らかの形(興味/嫌悪)で交わりつつあった。マイルスも当時未だに主流であったスタンダードを解釈するスタイルに疑問を抱きながらも、新鋭FREE JAZZとは一線を置きたかった。あくまで構成の中での革新を目指す方向を取りたかった(新主流派へ)。しかしそんな中でTONY WILLIAMSはリズム・セクションに革新を齎し、明らかな変化が起こりつつあった。熱望したWAYNE SHORTERの加入は彼がまだJAZZ MESSENGERSの一員であったことからも困難であり、GEORGE COLEMANからの繋ぎ役としてトニー・ウィリアムスが連れてきたのがSAM RIVERSである。
FREE系で語られるリヴァースだが、ここではあらゆる意味でマイルス等の演奏に沿った(フリーキーなトーンを出しても決して逸れる事がない)、パワフルなプレイ(IF ? WERE A BELLのソロを聴け!)を見せる。これはマイルスというよりトニー・ウィリアムスとの相性を挙げるべきなのかもしれないが。何れにせよ初来日公演からアメリカに渡ったマイルスの元に一報が入るのだった。ウェイン・ショーターメッセンジャーズを抜けたのだ。こうしてSAM RIVERSとの邂逅も終わる。現在公式盤で聴けるリヴァースとの録音はこれだけ。