WILLEM BREUKER/TO REMAIN

To Remain

To Remain

描写の連続/断絶を繰り返しながらサーカス的ごった煮感とノスタルジアの想起を促しながらのそれらの放棄は潔さと同時に伝統を敬愛しながらも進歩を望む人間の持つ葛藤を表したもの。形骸化していくFREE JAZZのクリシェ(常套句)を嘲笑するかのように音の線的推移を拒否し常にビッグ・バンド・アンサンブルを以って爽快に放つ。劇場型フリー・ミュージックにして異端の連携を取る根源であり、最重要人物。その名はウィレム・ブロイカー。1989年作(筆者が所持しているのは2001年再発盤で、オリジナルと曲が入れ替わっている)。