BRIAN WILSON/SWEET INSANITY

muyubyou2007-12-15

私信。このスウィート・インサニティを聴くと一時期狂っていたとしか思えないブラジリアン・パブへのランデブーを思い起こす(因みに半年の間で約50万円がブラジリアン・ショー・パブへ消えた)。(beach boysマニアの)会社の先輩と伊勢崎(横浜)へ約1時間の旅。そこでほとんどビーチ・ボーイズ関連のCDがBGMとして流され、同じくビーチ・ボーイズが好きだった私はたいした苦痛もなく寧ろ目的地に辿り着くまでのそのドライヴを楽しみにしていた節もある。そしてその目的地に辿り着くまでのロードに最適BGMがこのスウィート・インサニティだったのではないか、これを聴くとそう思い出される。Concert Tonightで幕を開けるこのまだまだ夜は長いぞという期待と希望。スピリット・オブ・ロックンロールの生気。そして私達は金と時間を使い果たし丑三つ時帰路に着く。その時既に気分はスウィート・インサニティどころでなく、サーフズ・アップ。真夜中は金と共に突っ走る。その熱病が収束する頃の私たちの口癖は『南米はゴールが遠い・・・』。その会社の先輩は幾分かゴールの近いフィリピンへ路線変更し、私は何処にも行かなくなった。古き良き思い出。

ブライアン・ウィルソン、もといビーチ・ボーイズには悪魔が取り憑いていたとしか思えないほど幻の傑作というものが多い。smileを筆頭にランド・ロックド、第ニのクリスマス・アルバム、デニス・ウィルソンのバンブー、そしてブライアン・ウィルソンの奇跡の復活劇を飾る傑作2ndとして発表されるはずであったこのSweet Insanity。ユージン・ランディ云々は今更言うまい。この意気揚々としたブライアンの声を聞くと失われた日々を取り戻そうとする意思が感じられ単なるポップスに生気が注入されているように聞こえる。『音楽は気持ち』とは小学生の音楽の先生の言葉だったか、このアルバム、そして昨今のブライアンを見ていると確かにそんな気もする。そして決して取り戻せぬ過去がある事をブライアンも知っているからこそ、余計に悲しい。そして、生きるとはそういうものかもしれない。

追伸。ブラジリアン・ショー・パブへ話しを戻そう。これを読んでしまった暇人な貴君はそんな大金を注ぎ込んでゴールを目指すより、一層のこと風俗や立ちんぼに声をかけたほうが早いではないか、と思われるかもしれない。しかし、勿論そういうのを全て体験した私が確信したのは、いきなり裸で現れるキャツらには何のセックス・アピールも感じ無いということ。様々な経緯を経て辿り着く快感こそ本物。私たちは気分的に『素人』と接したいのである。