SUN RA/SLEEPING BEAUTY

『スリーピング・ビューティーに恋をしたのさ』とウィットニー・ハガス・マツモトは言う(by cowboy bebop)。
男なら誰しもスリーピング・ビューティー、つまり眠れる森の美女に憧れるものがある。そう、人間話をして幻滅することが多々ある。眠っている人に幻滅･落胆することはない。美女、なら尚更である。美女の性格はつとに悪いものだ。ここに、眠れる森の美女という童謡、ことにグリム版スリーピング・ビューティーの落とし穴がある。これが美女じゃなかったら？というif説である。題して『眠れる森の普通の女』。これなら100年経っても王子様はやってこず、話としてまとまらない。スリーピング・ビューティーは実はフェミニスト達を怒らせる題材なのである。グリム童話恐るべし。
さて、話を進めるとサン・ラーは既に宇宙的視点でこのsleeping beautyを目視していた。美女、王子様は宇宙には存在せず、そんな夢物語よりこの人と人がもつ繋がりにクエスチョン・マークを投げかけたのである。私たちはお互いに話すことで日々傷つき失望していったのではないか、何もしなければ美しいまま。それなのに我らはコミュニケーション無しに生きてはゆけぬ、それは何故か？という問いである。

嘘八百並べ立てすぎました。全部嘘です。サン・ラー御大がそんなことを考えて演奏していたかは謎ですが、実はこれサン・ラー史上もっとも美しく、メロウです。そんなこんなでわたくしが勝手にでまかせを言いました。というわけでこれはart yardからの奇跡の復刻第三弾としてアナログ･リリースされました(私が紹介するのはart yardばかりです）。今や入手困難です。奇跡のスリーピング・ビューティーを未だ見ぬ諸君CD化を祈りましょう。そして同じくメロウなサン・ラーの名盤を聴いてスリーピング・ビューティーに恋しましょう。

Lanquidity

そういえばこんな説もあります。王子様のキスで目覚めた美女は、実はキスで目覚めたのではなかったのです。お金の匂いで目覚めたらしいです。才能の一種として、お金を持っているかどうか見抜く眼というものがあります。その後スリーピング・ビューティーはキスしかさせず、性欲を持て余す王子様は風俗に通いつめました。それを知ったスリーピング・ビューティー女房は離婚を決意します。慰謝料は国家予算1年分てとこでしょう。現代版スリーピング・ビューティー、美人局であります。