COWBOY BEBOP/天国の扉

COWBOY BEBOP 天国の扉 [DVD]

COWBOY BEBOP 天国の扉 [DVD]

ルパンと松田優作請負人のような風貌で咥え煙草、長身痩せ型猫背、ブルース・リーな空手使いのその男はスパイク・シュピーゲル(山寺宏一)。宇宙を股にかける賞金稼ぎ(カウボーイ)達が活躍するスペース・カウボーイ物語(ちっとも風景的に未来的(寧ろレトロ)ではないが)。このアニメが画期的だったのはマルチ屋菅野よう子(ガンダム攻殻機動隊等)の音楽がまるで大野雄二とルパン3世の如くぴったりとマッチングしていること、テンポが良いこと。そして何よりも今をときめく萌え的要素が一切無くすべからくハードボイルド、これに尽きる。哀愁漂う中年男達(中年は言いすぎだけど)が貧乏生活をおさらばしようと一攫千金を狙うがいつも悉くハズレクジ。これがまたいとおしい。数奇な運命を共にする仲間達、相棒ジェット(石塚運昇)、女賞金稼ぎフェイ(林原めぐみ)、天才ハッカーエド(多田葵)、天才(データ)犬アインがまたルパン三世御一行の如く仲間意識希薄でまたまたいとおしい。
さてこの話、映画版『天国の扉』はテロリスト『ヴィンセント』に史上最高額の賞金(3億ウーロン)がかけられ、カップラーメンばかりを食べていた(スパイク『人間ってのは炭水化物ばかりとってちゃ駄目なんじゃないのか、タンパク質が必要なんじゃないのか?』ジェット『何が言いたい?』スパイク『肉が食べたいってことさ』)スパイク達は問答無用にこの話に飛びつく。この映画版はTVシリーズと違い30分ではないので(当たり前だが)若干の中だるみを感じてしまうが、チャプター的に優れた名場面がたくさんある(コンビニ強盗の話、先述のラーメンばかりの話)。天かけるTVシリーズ編BOXが低価格で再発されるらしいので(時期的にブルーレイでないのが謎だが)更なるビバップの映画化を切に願って・・・(因みに前回のBOXはロック・JAZZファンは嬉しくて思わず手にとってしまう仕様だった)