Die To(e)dliche Doris/Die Uberdoris-The Super Doris

muyubyou2007-10-27

嘗て私は第二外国語にドイツ語を履修していた。その結果齎されたものは3回の再履修とアルファベット発音と「this is a pen」的文法とドイツ語教材のみ。ドイツ語は果てしなく難しい。英語で上記(文字化けするためウムラウトは表示していません)を発音するならば、ダイ・トードリッシュ・ドリス。因みに冒頭のdieとは定冠詞『THE』であり意味はない。さあ、皆さんご一緒に発音しよう。彼らの名は『ディ・テードリッヒェ・ドーリス』。こういう授業ならきっと私はドイツ語を3回も落としていなかっただろう。

さて紳士服青山に袖を通し、ドイツらしく厳格な面持ちで遠くを眺める一人の男。その洋服のハルヤマの下にはきっと女性用下着を身に纏っている。これはアートなのか、悪夢なのか、音楽なのか、舞台なのか。
嘗て岡本太郎は『今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない、 と私は宣言します。それが芸術における根本条件である、と確信するからです。』と明快に打ち出した。
ここに岡本太郎を実践するジャーマン・エクスペリメンタル・トリオをご紹介しよう。彼らの名は致死量を捩って付けられた通称『致死量ドリス』。このレコードは2004年6枚組LP・BOX(現在廃盤)として出されたもののバラ売り。1985年カセット録音(一部1981年録音)。邦題『超ドーリス』語りDavid Steves。永延と項垂れるWolfgang Mulerのテクストと無限回廊のような悪意的メランコリー・ミュージック。A面はドイツ語。B面は英語。芸術は爆発であり、グラスの底に顔があっても良いのである。
http://www.die-toedliche-doris.de/index.html