np,,,

Genesis Archive, Vol. 1: 1967-1975

Genesis Archive, Vol. 1: 1967-1975

先日のGENESIS再結成のニュースが幻に終わりどこかホッとしたような残念なような微妙な感覚で暮らす毎日ではあるが、実はフィル・コリンズもまったく再結成を否定しているわけではなく含みを持たせた言い方でその僅かな可能性を示唆させている模様。そうなるとそうなったで、ちゃんとメロトロンは鳴るのか、ゲイブリエルはどういう音楽性をジェネシスに持ち込むのか、などなど余計な心配も増える気がする。

このBOXは言うまでもないが私がもっとも好きな時期の仕事であり、聴くたびにマラソン大会前のようなモヤモヤとした気持ちと日曜の午後のような暗〜い気持ちと金曜の夜のような若干の昂揚感が交じり、良いとこで打ち切られる夢のようになんとも言えない切ない感覚になる。どんよりとした雲が空一面覆い尽くし文学的終末を迎え、哲学本片手に「青年レエル」のように自己探求の旅へと繰り出したい今日この頃、こんな暗い音楽が他にあるものか、と一人云々呟き、その他一切の「暗い」とされる音楽がコケオドシのように感じられる。ジェネシスに狂っていた当時は(と言っても数年前の話だが)、真の「暗さ」「残虐さ」を分かっているのはゲイブリエルだけだ、とこれまた暗かった私は思っていた。今は胸を張ってジェネシスのファンだ、とはとてもじゃないけど言えなくなってしまった。

DISC1と2は眩惑のブロードウェイまるごとライヴという結構レアなもので、ヴォーカル部分だけ余計なお世話なゲイブリエルのスタジオ新録。DISC3はプログレの代名詞サパーズ・レディのライヴが収録、怪奇骨董音楽箱とシネマ・ショウが入っていないのがなんとも残念。DISC4は創世記の頃のデモ等が収録。