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You Know Faust

You Know Faust

再結成後ファウストの評価はお世辞にも決して高いとは言えないが、個人的に復帰作となったこの作品はファウストの中でもなかなかお気に入りの一枚ではある。
まるで以前のファウスト自身へのオマージュでもあるかのような(このタイトルもきっとそうなんだろう)、透明ジャケをあしらったデザイン。無機質なビートにノイズを被せ、時折トラッドっぽい叙情性を垣間見せる。硬質だったり、ふわふわしたり。固形であったり液状であったり。姿かたちを変えながら進行していく。
結果的にノイジーな印象が強いファウストではあるが、このセンスの良いごった煮感(薄味関西風味)は4th以降のポップ感覚を彷彿とさせ、聴き終わった後はやはりどういう音楽か語る余地を残させない。不幸にもこの時期、あまりにも「FAUST」的な音楽が多すぎて、FAUSTらしさが際立たなかったのが、この評価に繋がっているんだろう。かなり良質のコラージュ・ミュージックだという事を今一度確認されたし。
と思ったけど、これ入手困難らしい。