TERRY RILEY/MUSIC FOR THE GIFT

Terry Riley: Music For The Gift; Bird of Paradise; Mescalin Mix

昨年世を大いに騒がせた(?)STRANGE DAYSによるCRAMPS/NOVA MUSICHAの復刻、ついぞ私も残すところ数枚というところまで漕ぎ付けた。ジャンニ・サッシの見事なアート・ワークが相乗し眺めてるだけで妙な幸福感が味わえる素晴らしいシリーズである。しかし現代音楽に付きまとう厄介な楔、つまり、買ってもほとんど聞かないという事実。こんな散財的な音楽ライフではこれから先到底生きてはいけない、そこで、何回も聞ける現代音楽という軸を以ってここに紹介するのはご存知ミニマリズム巨匠テリー・ライリー。CD化によって初期の4枚が合体。これとinCは一家に一枚。
チェット・ベイカーを仰け反らせたテープ操作と記憶の改竄的反復。実際のところ反復・ミニマルでは全然無いわけだがリスナーとライリーとの距離をあやふやにさせる微かな音操作によりJAZZ的起伏が消去される仕組みであり、これを管理された偶然性と後付解釈するならば、テリー・ライリーはラ・モンテ・ヤング以上に重要である。さて身も蓋もない言い方をすればMUSIC FOR~は単なるFREE JAZZ(レニー・トリスターノがFREE化したような感じ)としても良いわけだが、真にミニマリストとして本領を発揮するのはそれ以外。それはまた別の機会に（だんだん面倒臭くなってきた）。