KEITH RICHARDS/TALK IS CHEAP

Talk Is Cheap

Talk Is Cheap

ロックンロールとは是如何に、ビートルズを以ってその答えは遥か彼方へ追いやられ、ルー・リードやボウイは頑なに自身を飾りロックンロール預言者を演じ、フロイドやクリムゾンは余計にややこしいものにした。セックス・ピストルズは道化師の如く賞味期限スレスレで登場した。さて、本物のロックンローラーとは即ち等身大で音楽の良さと格好良さを同時に表現できること、その佇まいはセクシーにしてクール。その名はキース・リチャーズ
「俺にソロなんていらない、ストーンズで好き勝手やってるから」と頑なにストーンズでの演奏に拘ったキースはミック・ジャガーのソロ活動に業を煮やし遅れながらソロ第一作を発表。内容は語らずともストーンズで数々のキース・ナンバーを聴いてれば承知のこと、トレンドに敏感なミック・ジャガーとは対照的にオールド・スクール的ファンク、ブルーズ、ソウルを混ぜ一本分厚いロックという芯を通した丸ごとキース・リチャーズなアルバム。「TALK IS CHEAP/ガタガタ抜かすな」とはミック・ジャガー、批評家に対するものではなくリスナーに対し安心せいという意味なのだろう。それにしてもキースの声はいつ聴いても素敵すぎる。