あいくるしい

綾瀬はるかがやっぱりかわいい。
野島伸司の哲学としては、「世紀末の詩」で完結しているような気がする。今や売れっ子、ヒット脚本を書きまくる人で有名だけど、その世界観をトレンディ俳優に惑わされずに読むならば、この「あいくるしい」は多分集大成的ニュアンスを持つと言える。
フェミニストから揶揄されそうなジェンダー的価値観と、より純粋無垢な視点で恋愛、家族、少年時代を捉える一昔前のどこかに忘れた温もりを探すという、あまりに普遍的すぎる内容ながらセリフと言うより詩を読むような語り回しが他のドラマと一線を引いていて好感が持てる。友情出演の杉浦直樹が良い。
野島的価値観は少年が抱く夢のような幻想が書かれている気がしないでもないが、この現代のスピード主義化された社会の意義を問うというスタンスを、彼のような売れっ子が書く意義は極めて大きいと言えよう。

と、情報雑誌的に書いてみた。山田五郎がコラムで書いていたが、野島脚本では毎回テーマ曲が重要視される。今回はマイケル・ジャケソンのBEN。現在のマイケル・ジャクソンからすると考えられない選曲である。山田五郎氏は「世間の目から厳しい境地に立たされているマイケル・ジャクソン(勝訴に終わったが)に対する野島からの激励ではないか」と書いていた。どーでもいいけど、これ以上マイケルを売る必要があるのか、どうせならもっとマニアック(売れてない)な曲を使ってやってくれい。